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中学3年生は夏休みから入試の過去問をといた方が良いのか

中学3年生の保護者面談をしている中で、こんな質問をいただきました。

 

 

「夏休みはどんどん入試の過去問をといた方が良いいんですか?もう遅いくらいなのでしょうか?」

 

 

これは毎年といっていいほどいただく質問です。

 

 

それだけお子さんの受験について心配されているということですし、お子さんのことを思う気持ちが伝わってきます。

 

 

そんな不安を抱える保護者の方や受験生である中学3年生に、この夏休みに入試の過去問をやるべきか否か、入試の過去問以外にやるべきことは何かをお伝えしていきます。

入試の過去問は●●を終えてから

入試の過去問を解き始めるなら、中学3年間のカリキュラムを終えてからで大丈夫です。

 

 

なぜなら、この時期は全てのカリキュラムを終えていないため解けない問題も多く、あまり効果がないからです。

 

 

国語は唯一、習った習っていないの影響は少ないので解いても良いと思います。

 

 

また、理科は単元によってできる問題もあると思います。

 

 

しかし、一つの試験として●●年度の問題を50分時間を測って通して解いてみるということはできないでしょう。

 

 

数学も一見単元によってはできそうな問題もありますが、単元をまたいだ複合問題が出題される教科です。

 

 

たとえば関数の問題に「一次関数」「二次関数」「相似」「三平方」などの単元知識が要求されます。

 

 

立体図形の問題も、「面積・体積の公式」「相似」「三平方」の知識を要求されます。

 

 

「太字の単元」はまだ習っていない単元です。

 

 

その他の教科も同じです。

 

 

習っていない単元がある場合、解いてもあまり効果はありません。

 

 

中学3年生の夏休みだからと焦らず、以下のことを集中して取り組むと良いと思います。

中学3年生の夏休みにやるべきこと

中学3年生の夏休みにやるべきことは、基礎知識の復習です。

 

 

これがなければ入試の応用問題は解けません。

 

 

基礎ありきの入試対策であることを忘れてはいけないのです。

 

 

その基礎をしっかり身につけるために、2つのことをこの夏休みにすることをお勧めします。

中学1・2年生の復習

中学1・2年生の復習は、忘れてしまった単元の基礎知識を身につけることや苦手単元を復習することを目的として勉強しましょう。

 

 

この時期はまだ難しい問題ができなくても大丈夫です。

 

 

とにかく基礎知識をそれぞれの単元で8〜9割程度身につけることを目標として頑張ってください。

 

 

残り1〜2割は、夏休み以降の入試対策の中で補っていけば大丈夫です。

 

 

完璧を目指すのではなく8〜9割程度で大丈夫です。

中学3年生の残り単元の予習

中学1・2年生の復習を終えたら、中学3年生で学習する残りの単元を予習していきましょう。

 

 

この予習単元が9月以降の定期テストの出題範囲になり、定期テスト対策に繋がってくるのです。

 

 

直前になって慌てることなく、余裕を持って定期テスト対策ができるはずです。

大手塾の囁き

先週、中学2年生の保護者の方と面談をした際に、このようなことを聞きました。

 

 

●●塾で「湘南高校を目指すなら、中学2年生のうちに中学3年間のカリキュラムを終えていないと合格できませんよ。」と言われました。と・・・。

 

 

これについては流石に言い過ぎではないかと思うのです。

 

 

その面談の様子や話の流れ全てを把握しているわけではないので、そうおっしゃった先生がどのような意図でお話しされたのかはわかりません。

 

 

しかし、県立難関校・県立トップ高校合格を目指す生徒が皆、中学2年生を終える段階で中学3年間のカリキュラムを終えているのかというとそんなことはないはずです。

 

 

それこそ単なる「詰め込み」教育でしかなく、ただただ実績のみを追い求めた教育しかしていない証拠なのではないかと思ってしまいます。

 

 

そんなカリキュラムでたとえ偏差値が上がったとしても、根本的な本物の学力向上は見込めず、多くの生徒がトップ高校進学後に脱落していってしまいます。

 

 

※ここでいう「本物の学力」とは、学習計画力や課題解決能力などのことです。

 

 

これまでの経験上、中学3年生の夏期講習会もしくは9月末頃に中学3年間のカリキュラムが終えられれば、十分間に合います。

 

 

私の知っている個人塾の中には、中3カリキュラム終了を10月から11月ぐらいを目安にしている先生方もいらっしゃいます。

 

 

もちろん、すでに学習し終えた単元の入試対策と残りのカリキュラムを同時並行で進めるなどの工夫をされているとは思いますが・・・。

 

 

確かに一部(一時的に)詰め込みが必要な場面もありますが、それが全てになってしまうのはよくありません。

 

 

生徒が潰れてしまいます。

 

 

進学塾講師時代、そんな生徒を私はたくさん見てきました。

 

 

湘南高校やその他の難関県立高校の「学歴」が欲しくて、どうしても行かせたいという場合は何もいうことはありません。

 

 

しかし、本当に大切なのはあなたのお子さんが進学した先の高校3年間で自分らしい学びを得ることです。

 

 

そして、その学びの中で更なる学力向上を遂げ、その後の進路を選択できるよう導くことです。

 

 

高校受験で燃え尽きるような「詰め込み」をさせてはいけません。

湘南高校受験専門塾 育秀会

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