平成31年度入試の理科の平均点は上がる
トップ高校では100点満点続出と予想
今年の理科の入試問題は、非常に難易度が下がったと思います。
学校ワークや塾の基本教材、市販教材などでも掲載されているような基本問題が多く、これまでの神奈川県立入試問題とは全く質の異なる問題でした。
トップ高校の平均点は90点以上になると予想しています。
100点満点も多数出ると思います。
中学1・2年生でも解ける問題はたくさんあると思いますから、是非チャレンジしてみてくださいね。
本当に基本問題ばかりでしたので、ここではその中でも正答率が低くなると予想できる問題をピックアップしてみます。
正答率が低くなると予想できる問題を分析
問1(物理)
(ウ)の問題は2つの回路についてAとBに流れる電流の大きさの比較問題でした。
この問題は、問題条件に合うように電池の部分に同じ電圧数値を、抵抗器に同じ抵抗値を、具体的な数値を自分で設定して計算していくと求められます。
こういう時の数値設定は、その後の計算が楽になるような簡単な数値を設定することがポイントです。
問2(化学)
すべてが基本問題でした。
問3(生物)
(ウ)はユリ、イヌワラビ、ゼニゴケ、タンポポ、サクラの5種の植物の分類についての問題でした。
根、維管束、葉脈、花弁の違いについて、細かい知識を要求される問題でした。
問4(地学)
(ウ)は地点Xから震源地までの距離を求める問題でした。
数学の方程式で出題される「速さと距離の問題」の考え方ができれば解ける問題でした。
問5(物理)浮力に関する問題
(エ)は指定語句を含めた記述問題と、浮力を求める問題でした。
記述・計算ともに苦手とする生徒は多いと思います。
正答率は低いでしょう。
問6(化学)鉄と硫黄の化学反応
(エ)は比例式をたてて物質の質量を求め、実験後、磁石に引き付けられる物質が残っている試験管がどれかを選ぶ問題でした。
計算自体は非常に簡単でした。
鉄と硫黄が化学反応を起こした後にどのような結果がもたらされるのか、何故その試験管が磁石に引き付けられるのか理解していれば解ける問題でした。
実験における「何故そうなるの?」を意識的に解決していく学習を大切にしていきましょう。
問7(生物)だ液のはたらき
(エ)は、だ液の量を変えることにより検証できる仮説はどれか選択する問題でした。
ここで注意しなければならないことは、「だ液の量を変えたことでどうなるのか」を選ぶ問題ではないということ。
あくまで「検証できる仮説はどれか」を選ぶ問題です。
落ち着いて考えれば良いのですが、中には検証できない仮説に飛びついてしまった生徒もいるかも知れません。
問8(地学)南中高度についての問題
(ウ)と(エ)は、南中高度を求める計算式を利用して、地点Xの緯度について求める問題でした。
(ウ)は、夏至の南中高度を求める式を覚えていれば解ける問題でした。
(エ)は、地軸の傾き23.4°の時と26.0°に変えた時の夏至と冬至の南中高度の差を求め、比較する問題でした。
これも実際に計算して比較すれば正解が出せる問題です。
ただ、南中高度を求める式を覚えている生徒は受験生全体でみるとそう多くはないと思います。正答率は低いでしょう。
来年の理科の難易度はどうなるのか?
来年は若干難しくなると予想
ここ数年の神奈川県立入試において、理科は5教科の中でも圧倒的に難しい科目でした。
しかし、今年は非常に基本問題が多くなった。
県教育委員会も問題作成には試行錯誤の連続なのだと思いますが、今年の理科に関しては「・・・?」という印象です。
以前は見据えたゴールが遠すぎて、あまりにも問題難易度が現在の教育現場とかけ離れてしまった感がありました。
それで今年は難易度を下げたのだと思いますが・・・。
で・・・、来年どうなるのか。
私は、難易度が若干上がると予想しています。
「県教育委員会も試行錯誤しているのでは?」と申し上げましが、その辺の調整をしてくるでしょう。
基本問題を取り入れつつも、思考力を問える問題を入れてくると思っています。
まあ現状そこに苦戦しているから、毎年極端な平均点になっているのだと思いますが。
今回、正答率が低くなると予想できる問題を上げましたが、あえて上げるならというレベルです。
冒頭でもトップ層では100点満点が続出するのではと書きました。
難易度が高いにしろ低いにしろ、基本が大事なのは言うまでもありません。
トップ層を狙う中学1・2年生は、今学習している単元内容はその時に頭に叩き込むつもりで取り組みましょう。
また、いろいろな分野に興味の幅を広げ、「何故?」という疑問を持ったら自分で調べたり人に聞いたりすることを大切にして下さい。
藤沢市辻堂の湘南高校受験専門塾 育秀会
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